チームビジョン

リンパ浮腫ケアにイノベーションを起こし、がん発症後もすべての人が自分らしく生きることのできる社会の構築

リンパ浮腫とは

リンパ浮腫とは、リンパ管の働きが何らかの原因で障害されることによって、皮膚下の組織にたんぱく成分を多く含む体液が過剰に溜まり、
むくみが生じる状態で、患者数は現時点で10~15万人といわれており、その数も年々増加傾向にあります。(日本医療リンパドレナージ協会
日本では、リンパ節の切除やリンパ系の流れに影響するようながん治療後に症状が現れることが多く、外見上の変化に加え、重度化すると運動機能の低下や社会生活にも影響をもたらします。そのため、早期に診断し、適切な治療を行うことが必要です。
近年では、リンパ管機能を改善する外科治療の有効性が報告されており、包括的な治療方法の確立が求めらるようになってきています。

治療

リンパ浮腫の標準治療には、圧迫療法やリンパドレナージなどを含む複合的治療と、外科手術などがあります。リンパ浮腫の外科手術は、リンパ液を静脈に流す バイパス手術(リンパ管細静脈吻合術)や、健康な部位のリンパ節を移植する手術(血管柄付きリンパ節移植)などがあります。

診断

リンパ浮腫の診断では、まずは問診、視診、触診の基本的診察を行います。手術後やむくみを感じて来院された患者さんに対して、病歴などを問診してリンパ浮腫の疑いについて検討し、患部を視診や触診することで皮膚や皮膚下組織の変化を確認します。そこでリンパ浮腫が疑われる場合には、血液検査での臓器などの機能についての検査を行うとともに、X線や超音波での画像検査によって組織の情報を確認します。また、リンパ管の様子を確認するためのリンパ管造影を行いますが、近年ではリンパ管シンチグラフィーによる機能の評価や、ICGを利用したリンパ管蛍光造影法なども応用されています。
しかし、これらの手法では早期発見が難しいことや、基本的診察を除いた多くの手法は患者への負担が大きいことなど、多くの問題があります。

このように、リンパ浮腫についての診断と治療の技術は日々進歩していますが、まだ早期の診断や患者さん自身でのケアなどの方法が確立されていないという課題も残しています。

活動のご紹介

リンパ浮腫治療で重要なのは、正確な早期診断とそれに基づいた包括的治療によって正しく対処することです。

TOMOCloudは発症初期の水分量とタンパク質量を、低侵襲で4Dリアルタイム(上肢や下肢の3D画像の時間変化)に、スマートフォンもしくは専用端末上で可視化し症状の早期発見技術を開発しています。計測は非常に簡単で専用のウェアラブルセンサを装着し、あとはアルゴリズムが画像再構成、および症状の診断をします。さらに、診断だけにはとどまらず、治療までのフローもサポートするシステムづくりも構築していきます。

幅広い方にご使用いただくために、医療現場での活躍が期待されるLTモニタ・プロ、在宅での簡易診断が可能なLTモニタ・ライトの開発に取り組んでいます。また、医療従事者と患者をつなぐコミュニティ形成、およびその中での、運動やマッサージ、食事等のアドバイスや双方向でのやり取りを促進するプラットフォームを作ることで、予防から始まり、診断・治療、予後の健康維持までをトータルでサポートしていきます。

*開発中機器のため、上記画像はイメージです